本日の注目の取組
栃ノ心 | 6−4 | 勢 |
-------- | 夏 | -------- |
寄り切り | 名 | ………… |
-------- | 秋 | -------- |
………… | 九 | 寄り切り |
-------- | 初 | -------- |
-------- | 春 | -------- |
鶴竜との1敗対決に敗れて今場所初めて追う側に回ることになった関脇栃ノ心。場所後の大関昇進をより確実にするためにも、逆転優勝への望みをつなぐためにもまずはこの一番に勝って結びの横綱対決の結果を待ちたい。
前日栃ノ心の右手には厳重にテーピングが巻かれていた。13日目の正代戦で痛めたものと思われるが、鶴竜戦では相手が格上のためその影響がどの程度なのか推し量るのが難しい。勢とは右の合四つだが、どちらかと言えば栃ノ心の方がしっかり廻しを引きたい相撲ではある。勢には攻め込まれてから思い切りの良い投げがある一方、一気に攻め込んでくる相撲もある。こうした相手には攻めを躊躇すればするほど相手の術中にはまることになる。立ち合いの踏み込みで圧倒して相手に何もさせないのが得策だろう。恐らく関脇以下としては最後の相撲になるが、来場所以降大関を張るのに相応しいと思わせる相撲で締めてもらいたい。
鶴竜 | 21−2 | 栃ノ心 |
-------- | 夏 | -------- |
-------- | 名 | -------- |
-------- | 秋 | -------- |
-------- | 九 | -------- |
寄り切り | 初 | ………… |
………… | 春 | 寄り切り |
栃ノ心の初黒星でついに1敗で並んだ両力士。勝った方が優勝に王手を掛ける大一番。自身初めての連覇を目指す横綱鶴竜と大関昇進を2回目の優勝で飾りたい関脇栃ノ心が激突する。
鶴竜は先場所と同じくしっかり組み止められた相撲は少ないが、ここまで抜群の土俵勘で白星を重ねてきた。栃ノ心は形にはそれ程こだわらず攻めようという意欲はあるが、初黒星の正代戦は少し攻め急いだ感がある。ただ栃ノ心としてはそれほど気にしなくてもよい黒星ではないか? むしろ引きずって消極的になることの方が怖いと思った方がよい。相撲の技術では断然鶴竜の方が上だが、横綱は仮に攻め込まれたとしても土俵際の回り込みが非常に巧い。栃ノ心としては十分の廻しを引いてから攻めていかないと、土俵際の逆転に遭う可能性が高い。横綱はガップリになると分が悪いので、栃ノ心の腰に食いつくか、拝んで頭を付ける体勢を作って勝機を見出したい。
鶴竜 | 9−2 | 逸ノ城 |
-------- | 夏 | -------- |
-------- | 名 | -------- |
-------- | 秋 | -------- |
-------- | 九 | -------- |
寄り切り | 初 | ………… |
寄り切り | 春 | ………… |
ただ一人1敗を守って全勝の栃ノ心を追い掛ける横綱鶴竜。13日目は返り関脇で勝ち越しを懸ける逸ノ城との対戦だ。
鶴竜のこのカードでの2敗は初顔の一番では逸ノ城の変化に屈した敗戦と不戦敗。四つ身の技能で逸ノ城に敗れたことはまだない。逸ノ城は左右に幅があるので、横綱からすれば狙った差し手に持ち込みやすい相手と言えるだろう。鶴竜としてはガップリを避けて拝む体勢を作ることを意識したい。今場所の逸ノ城は一気に出てくることもあるが、逆に攻め込まれると案外脆さを露呈することもある。横綱としては悪い癖の引きを出さずに攻めの意識をしっかりと持って欲しい。逸ノ城は鶴竜を正面に置いて一気に出て行った方が勝機が見出せるかも知れない。体格に勝っているのだから、スケールの大きな相撲で横綱に一矢報いたい。
栃ノ心 | 0−25 | 白鵬 |
-------- | 夏 | -------- |
………… | 名 | 寄り切り |
-------- | 秋 | -------- |
-------- | 九 | -------- |
-------- | 初 | -------- |
-------- | 春 | -------- |
初日から11連勝として大関昇進が近付いてきた関脇栃ノ心。12日目は1敗で追い掛ける横綱白鵬に挑む。大関昇進へ優勝へ今場所最大の大一番だ。
過去白鵬には25戦全敗。両者同じ右四つで四つ身の技能に勝る横綱がこれまでは栃ノ心を完封している。前回の対戦では栃ノ心が先に廻しを引いて攻めたが、結局は白鵬に十分の廻しを許してしまった。栃ノ心としては今更力でどうにかなる横綱ではないことは重々承知しているはずだ。先場所鶴竜戦では左上手を引いて絶対に離さないという執念で、対鶴竜戦の連敗を19で止めた。白鵬戦もいつまでも蛇に睨まれた蛙ではなく、狙いを一本に絞ってそこに集中して取ってもらいたい。横綱も賜杯奪還へ必死だろうが、前日の正代戦では相手の身体に右目がぶつかって痛そうにしていた。その影響も気掛かりだが、今までの栃ノ心とは違うという念頭に置いて臨まなければ痛い目に遭うかも知れない。
栃ノ心 | 7−24 | 琴奨菊 |
-------- | 夏 | -------- |
上手投げ | 名 | ………… |
………… | 秋 | 寄り切り |
-------- | 九 | -------- |
寄り切り | 初 | ………… |
寄り切り | 春 | ………… |
初日から10連勝で大関昇進のムードが俄然高まってきた関脇栃ノ心。11日目は元大関の琴奨菊との対戦。かつて16連敗したこともある難敵だ。
琴奨菊は元来左四つだが、この対戦の場合は右差し、左前廻しを狙ってくる。その方がガブっていきやすいからだろう。ここ数場所の栃ノ心は四つ身の型がどうだろうが関係なく前に出てくるので、琴奨菊が今まで通りの戦法で来たところで関係はないのではないか? 立ち合いで先に踏み込んで琴奨菊の当たりの威力は発揮させなければ、あとはどういう形になろうと攻めていくだけだろう。琴奨菊からすれば栃ノ心に十分踏み込ませてしまったら勝機はないものと思った方が良いだろう。栃ノ心に踏み込まれる前に先に踏み込んでいくことで勝機を見出したいが、今の栃ノ心の踏み込みは鋭い上に速い。立ち合いで先手を取った方が有利ではあるが、現状では栃ノ心の優位は動かないだろう。
鶴竜 | 26−22 | 琴奨菊 |
---------- | 夏 | ---------- |
突き落とし | 名 | …………… |
---------- | 秋 | ---------- |
---------- | 九 | ---------- |
寄り切り | 初 | …………… |
突き落とし | 春 | …………… |
1敗を守りまずは勝ち越しを決めた横綱鶴竜。連覇への可能性をつなぐためにはここで負けるわけにはいかないが、10日目は復調の兆しを見せている元大関琴奨菊の挑戦を受ける。
対戦経過の上では鶴竜が形勢を逆転してはいるが、ここ2場所の対戦では先に攻めているのは琴奨菊の方だ。ただ最終的に鶴竜が勝利しているのは、琴奨菊の出足を呼び込まないように俵伝いに回り込んだり、四つ身の技術の高さがあるからだろう。琴奨菊は前傾で攻めてくるので、いきなり前廻しを引くような展開には持ち込みにくい。横綱としては頭から当たっていくとかしてまず琴奨菊の上体を起こしたい。琴奨菊としては鶴竜に叩きを誘発させるような展開に持って行きたいが、そのためには出足を止めないことが第一だ。横綱に廻しを与えずガブリ寄りで一気に持って行くような展開になれば勝機が出てきそうだ。
鶴竜 | 7−0 | 正代 |
------------ | 夏 | ------------ |
送り出し | 名 | ……………… |
------------ | 秋 | ------------ |
------------ | 九 | ------------ |
上手出し投げ | 初 | ……………… |
叩き込み | 春 | ……………… |
自身初めての連覇を目指す鶴竜。1敗で中日を折り返して迎える9日目の相手は2敗と好調の正代だ。
過去負けなしの相手ではあるが、この2場所は正代にかなり攻め込まれている。特に先場所は横綱が押し込まれて叩いて両者の体が離れたところで、正代の方が先に土俵を割ってしまったという危ない一番だった。鶴竜からすれば迷いなく正代に出てこられた方が嫌ではないだろうか? 横綱としては右で前廻しを引いて拝む形を作りたいところだろう。正代は四つ身の技術では劣るので、体当たりから鶴竜を後退させた方が勝算は見出せるかも知れない。回り込みが巧い横綱なので、できるだけ鶴竜を正面に置いて圧力を掛け続けていくことで活路を見出していきたい。
栃ノ心 | 10−5 | 逸ノ城 |
……………… | 夏 | 寄り切り |
上手出し投げ | 名 | ……………… |
------------ | 秋 | ------------ |
……………… | 九 | 寄り切り |
寄り切り | 初 | ……………… |
寄り切り | 春 | ……………… |
大関取りの大事な場所、不戦勝という幸運な形で単独首位の全勝を守った栃ノ心。中日は同じ関脇で大関を争うライバルの逸ノ城との対戦だ。
両者互いに右の合四つで、ガップリ四つでの大相撲になることも多い両者の対戦。力比べになってしまうため、結果として腕力に勝る栃ノ心が優勢に進めている印象がある。互いに胸があった状態でも最終的には栃ノ心が寄って行ってしまうのだから、相当自信を持っていると見ていい。逸ノ城からすれば、ガップリ四つで唯一と言ってもいいくらい分の悪い相手だ。頭を付けるくらいのことをしなければ勝てないのではないか? 栃ノ心はこれから更にエンジンをかけていきたい状況で不戦勝を得て休養十分。力は存分に出るのではないか? 左は前廻しくらいの浅い位置の上手、右は肩まで入るような深い差し手で万全の体勢を作りたい。
栃ノ心 | 3−3 | 遠藤 |
-------- | 夏 | -------- |
-------- | 名 | -------- |
-------- | 秋 | -------- |
………… | 九 | 寄り切り |
押し出し | 初 | ………… |
小手投げ | 春 | ………… |
初日からただ一人6連勝とし、大きな目標の大関昇進へ前進する関脇栃ノ心。7日目は新三役の遠藤との楽しみな対戦だ。
栃ノ心の優勝前までは遠藤の巧さが勝っていたが、この2場所は栃ノ心が拝んでくる遠藤に対して力で捻じ伏せている内容だ。栃ノ心は相手がどう来ようが関係ない印象だが、遠藤の巧さを発揮させないためには自分の懐に潜らせないことが肝心だ。そのためには脇を固めて遠藤の潜り込む空間を作らないようにする必要がある。その上で胸を合わせてガップリ四つに持ち込めれば万全だ。遠藤は前廻しを引いて拝む形だが、相当低く行かないと栃ノ心の腕の返しで体勢を起こされてしまう恐れがある。逸ノ城戦のように相手の脇の下に頭を入れていくなど、栃ノ心に自身の廻しを遠ざけるような展開に持って行きたい。
御嶽海 | 2−3 | 遠藤 |
引き落とし | 夏 | …………… |
---------- | 名 | ---------- |
---------- | 秋 | ---------- |
---------- | 九 | ---------- |
---------- | 初 | ---------- |
…………… | 春 | 叩き込み |
東西小結が3勝2敗同士で対戦する好取組。三役の常連の御嶽海と新小結の遠藤が激突する。
両者とも身長が低く、相手の懐に下から入っていく技術は共にある。ただ当たりの強さは御嶽海の方が上だろう。遠藤としては前廻しを引くことで御嶽海の突進力を止めたい。御嶽海はいかにして遠藤の上体を上げられるかだが、押っ付けで遠藤の差し手を許さないことが重要だ。先場所は御嶽海が出ていくところを遠藤が回り込みながら叩き込み。遠藤に土俵際の巧さがあるだけに詰めは慎重に行かなくてはならない。ポイントは立ち合いで、どちらがより低く当たれるか? 理想は相手のあごの下に頭が来るような形に持ち込めれば勝算は高くなるだろう。
鶴竜 | 0−0 | 阿炎 |
-------- | 夏 | ---※--- |
-------- | 名 | ---※--- |
-------- | 秋 | ---※--- |
-------- | 九 | ---※--- |
-------- | 初 | -------- |
-------- | 春 | -------- |
前日松鳳山によもやの初黒星を喫した横綱鶴竜。自身初の連覇へ連敗を避けなくてはならない5日目はこのところ急速に力を付けてきた阿炎の横綱初挑戦を受ける。
前日の横綱は松鳳山の猛突っ張りに引いて呼び込む最悪の敗戦を喫した。一方の阿炎は足こそ出ていなかったが、手数の多い突っ張りで新三役の遠藤を圧倒した。鶴竜からすれば阿炎の相撲に関する情報が少ないので、やりづらいのではないか? 相撲の技術では圧倒的に横綱が有利であることは間違いない。前日の敗因も鶴竜は十分に理解はしているだろう。ただ1つ黒星を喫したことで精神的な動揺があるかも知れない。阿炎からすれば、そこに付け入るスキがある。阿炎はとにかく突っ張るしかないが、横綱の上体を仰け反らせるように突けば、鶴竜が引いてくれるかも知れない。横綱が引きを我慢できるかどうかが勝敗の分かれ目だろう。
栃ノ心 | 4−2 | 御嶽海 |
-------- | 夏 | -------- |
寄り倒し | 名 | ………… |
………… | 秋 | 寄り切り |
-------- | 九 | -------- |
吊り出し | 初 | ………… |
肩透かし | 春 | ………… |
大関取りの場所で3連勝の絶好のスタートを切った栃ノ心。4日目は8場所連続で三役を務める実力者御嶽海との対戦。序盤戦の大きな山にやる一番だ。
栃ノ心の積極的な相撲がこの3日間。前日も先場所敗れた玉鷲に対して廻しが引けなかろうが遮二無二攻めていって雪辱。御嶽海は重心が低く、下から攻めてこられると厄介な相手だ。栃ノ心としては左右どちらでも良いので差し手を深く入れて、胸を合わせて取りたいところ。御嶽海が前傾で押っ付けられるような体勢を許すと苦しい展開になるかも知れない。ポイントは立ち合い最初の踏み込みでどちらが勝るか? 栃ノ心は御嶽海の腕を掬い上げるように下手を入れていきたい。御嶽海の押っ付けは強烈だが、それに負けて引くことは禁物だ。たった1番で場所全体の相撲を崩すこともあるので、この相撲に心して臨んでもらいたい。
遠藤 | 3−4 | 豪栄道 |
寄り切り | 夏 | …………… |
---------- | 名 | ---------- |
---------- | 秋 | ---------- |
---------- | 九 | ---------- |
---------- | 初 | ---------- |
突き落とし | 春 | …………… |
今場所新三役に昇進し、注目を集めている小結遠藤。新三役での勝ち越しへ向けて白星を先行させたい3日目は、今場所一人大関となっている豪栄道に挑戦する。
この対戦は現在遠藤の3連勝中。遠藤からすれば左四つになれれば一番良いが、豪栄道も技術的には高いものがあるため、簡単に形を許してはくれないだろう。最近の対戦では両者が当たり合った後のいなしや突き落としに豪栄道が翻弄されている印象だが、遠藤からすれば四つ身に渡り合うことで実力差が出ないよう早めに仕掛けているのではないか? 大関からすれば遠藤の突き落としは当然念頭に置いているだろうが、足の送りが疎かになってはこれまでと同じ轍を踏むことになる。豪栄道は踏み込みを意識して先に圧力を掛けていきたい。遠藤はこれまで大関に勝ってきたようなおっつけもだが、攻める意識を持つことで仮に攻め込まれても土俵際の回り込みも狙える展開になってくる。
鶴竜 | 7−4 | 玉鷲 |
-------- | 夏 | -------- |
-------- | 名 | -------- |
-------- | 秋 | -------- |
-------- | 九 | -------- |
………… | 初 | 押し出し |
叩き込み | 春 | ………… |
自身初の連覇へ向けてまずは白星スタートの横綱鶴竜。2日目は実力者玉鷲の挑戦を受ける。初場所まで3連敗していた難敵だ。
玉鷲は長身の割に立ち合いが低く、鶴竜相手にも良い角度で当たっていけるので、横綱に3連勝した時はそういう相撲が取れていた。先場所は鶴竜も突っ張っていき、玉鷲の上体を起こしたところで叩き込み。回り込んで引く取り口のイメージがある玉鷲からすれば、虚を付かれた感もあったのではないか? ポイントはやはり立ち合いでどちらが先手を取れるか? 横綱は右手がまだ不十分なようだが、それでも相撲が取れることは先場所の結果が証明している。敢えて左前廻しを求めても良いかも知れない。玉鷲は相手を突き起こすだけだが、足を送る意識を忘れないこと。前日の白鵬戦のような”お見合い”は状況を悪くするだけだ。
栃ノ心 | 11−3 | 松鳳山 |
………… | 夏 | 送り出し |
-------- | 名 | -------- |
………… | 秋 | 寄り切り |
-------- | 九 | -------- |
寄り切り | 初 | ………… |
寄り切り | 春 | ………… |
この夏場所が大関取りとなる関脇栃ノ心。大事な場所の初日は好スタートを切りたいところだが、今場所最初の相撲は同期生の松鳳山との対戦だ。
松鳳山は突っ張りがあり、左四つでも相撲が取れるが、最近の栃ノ心は四つ身の型に捕らわれなくなり、組めなければ積極的に突き放していく相撲が取れている。リーチが長いので栃ノ心の方が有利にはなるが、スピードという点では松鳳山の方が勝っている。栃ノ心としては立ち合いの踏み込みでまず勝ることが肝心だ。当たり勝たずに攻めていけば、松鳳山に撹乱させる展開になりかねない。松鳳山に攻めさせるだけのスペースや時間を与えないことがポイントになりそうだ。松鳳山は栃ノ心の腕を跳ね上げるような突っ張りで相手の上体を上げて、そこから活路を見出したい。
凡例:決まり手のある側が勝ち力士、…………は負け、--------は対戦なし、---※---はその側の力士が十両以下であることを示す。