映画のページ(2004年11月分)


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血と骨
TUBE
海猫
2046
ロスト・イン・トランスレーション
いま、会いにゆきます
下弦の月 ラスト・クォーター
笑の大学
恋の門

 

血と骨

監督 崔洋一
原作 梁石日
脚本 崔洋一,鄭義信
主な出演者 ビートたけし,鈴木京香,新井浩文,田畑智子,オダギリジョー

ストーリー

1920年代、一獲千金の夢を胸に済州島から日本に渡って来た金俊平(ビートたけし)。彼は李英姫(鈴木京香)を強姦し強引に結婚。息子の正雄(新井浩文)らに暴力をふるい、次々と愛人を囲うなど、破天荒な性格で恐れられた。

そんな中、俊平はかまぼこ工場から金貸しと自ら事業を立ち上げるが、周りの人間を不幸にしていった。

SHIN様の一言

やはりこの映画で目を引いたのは、ビートたけしの演技だ。演技だとわかってはいるのだが、とてもそうは思えない迫力には、鬼気迫るものがあった。

R-15指定ということで淫乱なシーンもあったが、残念なのは大事な部分の隠し方である。シーンとしては自然だったが、もう少し何とかならなかったものだろうか?


TUBE

監督 ペク・ウナク
脚本 ペク・ウナク,ピョン・ウォンミ,キム・ミンジュ,キム・ジョンミン
主な出演者 キム・ソックン,パク・サンミン,ぺ・ドゥナ,ソン・ビョンホ,チョン・ジュン

ストーリー

テロリストのギテク(パク・サンミン)率いる一味が、ソウルの地下鉄車両を乗っ取った。

刑事チャン(キム・ソックン)はそれがギテクの仕業だとわかると知って、アクションを起こした。かつてギテクに恋人を殺されたことがあったからだ。チャンは女スリのインギョン(ぺ・ドゥナ)の協力を得て車内に潜入し、大惨事を食い止めようと奔走する。

SHIN様の一言

地下鉄という特殊な空間を舞台に銃撃戦が行われる大スペクタクル映画。力で強引に事を運ぼうとするギテクと、頭で解決しようとする地下鉄側との駆け引きが面白かった。

次から次へとストーリー展開させることで、見る側としては非常にハラハラさせられたが、そこがまた何とも言えずよかった。


海猫

監督 森田芳光
原作 谷村志穂
脚本 筒井ともみ
主な出演者 伊東美咲,佐藤浩市,仲村トオル,ミムラ,三田佳子,小島聖

ストーリー

漁師・赤木邦一(佐藤浩市)の元に嫁いだ薫(伊東美咲)。子供にも恵まれ、夫の仕事を手伝い、海の女になるはずだった。しかし、薫は漁師の生活になじむことができずにいた。

そんな中、怪我をして入院した邦一は看護師の啓子(小島聖)に心惹かれ、薫もまた自分に秘かに想いを寄せる義弟の広次(仲村トオル)に身を任せるのだった。

SHIN様の一言

R-15指定。確かに子供には見せられない濡れ場が至る所で見られた。それもそのはず。「失楽園」の森田芳光監督の作品なのだから。

濡れ場の印象があまりにも強すぎたため、そこが最大の見せ場になってしまったのは残念(?)ではあったが、テレビドラマでは見られない伊東美咲の体当たりの演技。いろいろな意味で要注目の作品。


2046

監督 ウォン・カーウァイ
脚本 ウォン・カーウァイ
主な出演者 トニー・レオン,木村拓哉,コン・リー,フェイ・ウォン,チャン・ツィイー

ストーリー

心の底から愛した女性と結ばれなかったチャン(トニー・レオン)。彼はその女性のことをどうしても忘れることができなかった。

チャンは「2046」というタイトルの小説を書き始めた。その物語は“失われた愛”を取り戻そうと“2046”という場所を目指してミステリートレインに乗り込んだ男女を描いた小説だった。

SHIN様の一言

いわゆる劇中劇だが、はっきり言えばストーリーがわかりにくかった。ちょっと懲り過ぎた印象は否めず、複雑すぎる話はかえって向こう受けしない好例でもある。

キムタクが出演していたが、このパターンでは製作国の言葉で話すはずなのに、今回はなぜか日本語。それが何かを意図してやったものなのかはわからないが、作りの浅さを思わせる結果になってしまい残念だった。


ロスト・イン・トラスレーション

監督 ソフィア・コッポラ
脚本 ソフィア・コッポラ
主な出演者 ビル・マーレイ,スカーレット・ヨハンソン,ジョヴァンニ・リビシ,アンナ・ファリス,マシュー南

ストーリー

洋酒のCM撮影のために東京へとやってきた俳優のボブ(ビル・マーレイ)。彼は異国での慣れない生活にナーバスになっていた。

ボブは滞在先のホテルで偶然出会った人妻シャーロット(スカーレット・ヨハンソン)と意気投合。彼女も夫と来日していたが、どこか物足りなさを感じていた。やがて2人は、東京の雑踏の中へと繰り出して行く。

SHIN様の一言

舞台は東京。しかし、主人公がアメリカ人という設定なので、必然的に英語の会話が大半を占める形となった。

我々日本人にとっては当たり前のような風景でも、アメリカ人からは違った風に見える様が秀逸に表現されていた。視点を変えてみせる表現力が素晴らしかった。


いま、会いにゆきます

監督 土井裕泰
原作 市川拓司
脚本 岡田惠和
主な出演者 竹内結子,中村獅童,武井証,市川実日子,小日向文世

ストーリー

秋穂巧(中村獅童)は妻の澪(竹内結子)に先立たれ、1人息子の佑司(武井証)とつつましく暮らしていた。

ある雨の日、巧と祐司の目の前に死んだはずの妻が現れたが、彼女は記憶喪失だった。巧は3人で暮らすことにしたが、澪は雨の季節が終わると再び天国へと旅立つ運命にあった。

SHIN様の一言

死んだはずの妻と共同生活を送るというストーリー。原作者は市川拓司で、ベストセラー小説を映画化したものだ。監督も「ビューティフルライフ」や「GOOD LUCK!!」を手掛けた土井裕泰と、まさに一流のタッグによる作品。

その名に恥じない作り、ストーリー性で、最後には泣かせるシーンもあり、盛り沢山の内容で文句のつけようがない話。SHIN様も一オシの作品です。


下弦の月/ラスト・クォーター

監督 二階健
原作 矢沢あい
主な出演者 栗山千明,成宮寛貴,黒川智花,落合扶樹,伊藤歩,Hyde

ストーリー

恋人・知己(成宮寛貴)と別れた女子大生の美月(栗山千明)は、謎の洋館で出会ったミュージシャンのアダム(Hyde)と恋に落ちる。

その1週間後の夜、横浜美術館で待ち合わせをしていた美月は、交通事故に遭い意識不明になってしまった。一方、中学生の蛍(黒川智花)は飼い猫のシベールを探しているうちに交通事故に遭ってしまった。奇しくもこの2つの事故は同時刻に発生し、蛍は記憶喪失の女性と出会う。

SHIN様の一言

「下弦の月」は19年の一度の奇跡を象徴するキーワード。その言葉通りのミステリアスな雰囲気は出ていたが、どこか物足りなさを感じたのはなぜだろう? ストーリーがちょっと単調だったかも知れない。

矢沢あいさんの原作であったり、Hydeを出演させたりと見どころはあったが、思っていたほどではなかった。


笑の大学

監督 星護
原作 三谷幸喜
脚本 三谷幸喜
主な出演者 役所広司,稲垣吾郎

ストーリー

昭和15年、演劇は検閲にかけられ、規制が厳しかった。

ある日、検閲官の向坂睦男(役所広司)は 劇団「笑の大学」の座付作家・椿一(稲垣吾郎)を取り調べようとしていた。 向坂は椿の台本に毎回ケチをつけるが、その度に椿は台本を直し、作品はより面白いものになっていく。

SHIN様の一言

三谷幸喜と言えば、コメディを始めとする有名な脚本家だが、この作品では大笑いするシーンは少なかったように思う。しかし、その分作品は味わい深いものとなり、新境地を開いた印象。この映画の結末は予想を大きく裏切るものだったが、その意外性もまた魅力の1つではないかと思う。

また、物語が向坂と椿の2人だけでほとんど成立してしまうなど、他の作品にはない独特の雰囲気が何とも言えなかった。


恋の門

監督 松尾スズキ
原作 羽生生純
脚本 松尾スズキ
主な出演者 松田龍平,酒井若菜,松尾スズキ,忌野清志郎,小島聖

ストーリー

蒼木門(松田龍平)はアルバイトの初出勤日に遅刻をし、大急ぎで走っていると証恋乃(酒井若菜)と出会いがしらにぶつかってしまう。何となくときめきは感じるものの、そのまま急いでバイト先に向かうとその会社には証恋乃がOLとして勤めていた。

門は自称”漫画芸術家”だが、彼の作品は独特すぎて誰からも理解されず、逆に同人誌まで出している恋乃は1千万円も稼いでいることを知り、激しくショックを受ける。

SHIN様の一言

劇団「大人計画」の松尾スズキが果敢に初監督に挑んだ作品。

タイトルは「恋の門」だが、そういう甘い雰囲気を出しながらも、結構笑えるシーンが多く、どちらかと言えば恋愛モノというよりはコメディに近い感じがした。

人によって好みはあるだろうが、私はこの映画を支持する人は多いと思う。松尾スズキ本人も出演し(しかも、かなり重要な役で)、まさに彼の血と汗と涙の結晶だ。


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