代打に関するデータの考え方
0.「代打有効度とは」
「代打有効度」とは、代打を全く使用しなかった場合と比較して、1日1枠あたりに代打を振った枠の中で平均して何点の得失点が表す数値です。野球の防御率をヒントに作りました。
1.「単一代打での有効度の算出方法」
「代打有効度」の算出方法は以下の通りです。
代打有効度=代打による加減点÷代打が適用された日数
例えば、平成25年夏場所の光源氏のケースで説明しましょう。
私は中日から6点枠の豊ノ島を千代大龍に変更して、この代打を14日目まで保持しました。この間、つまり中日から14日目までの豊ノ島と千代大龍の得点を比較します。代打による変更後の力士の得点から変更前の力士の得点を引いたものが「代打加減点」です。
千代大龍はこの7日間で6勝1敗で、関脇1人を破ったので、
6点×6勝(基礎点)+2点(関脇勝利ボーナス)=38点を獲得したことになります。
豊ノ島は同じ期間で3勝4敗、関脇1人を破ったので、
もしこの間を豊ノ島のままにしていたら、
6点×3勝(基礎点)+2点(関脇勝利ボーナス)=20点の獲得に留まったことになります。
したがって、この代打による「代打加減点」は、38点-20点=18点となります。
「代打有効度」は「代打加減点」をその代打が適用された期間で割った値なので、
18点÷7日≒2.571となります。
「代打有効度」、「代打加減点」共にプラスならばその代打は加点、マイナスならば減点されたこととなります。
2.「複数の代打での有効度の算出方法」
複数の「代打有効度」を算出する場合には、その場所の「代打加減点」の”合計”をその代打の適用日数の”合計”で割ります。
例えば、平成25年夏場所のエクスプレスさんのケースですと、
力士変更 | 加減点 | 適用日数 | 有効度 | |
1回目 | 9日目 7点:豊ノ島→安美錦 | -8 | 3 | -2.667 |
2回目 | 12日目 7点:安美錦→妙義龍 | +8(±0) | 4 | +2.000(±0.000) |
3回目 | 千秋楽 6点:髙安→安美錦 | +6 | 1 | +6.000 |
場所通算 | +6 | 8 | +0.750 |
注意点
①加減点の比較対象力士は常に当該枠で最初に指名していた力士です。直前の力士と比較した加減点、有効度も算出致しますが、あくまでも参考としてお考え下さい。
②「適用日数」は1枠ごとに代打が適用された日数を指しますので、複数の代打が適用されている場合は1日で適用されている代打の数だけ適用日数をカウントします。2枠で代打が適用されている場合は1日で適用日数2日となります。そのため、1場所での代打適用日数が15日を超えることもあります。
3.「その他の代打に関する記録の注意点」
① 「代打有効度」はプラスの場合は小数点第3位までで切り捨て、マイナスの場合は同じく切り上げで考えるものとします。
② 比較対象力士が優勝、三賞等のボーナスを獲得した場合は、獲得したボーナスの得点も加味して、「代打有効度」、「代打加減点」を算出します。比較対象力士がボーナスの対象となった場合、「代打加減点」は当該場所で当該枠の最初に代打を投入した力士に反映して算出します。
③ 当所の比較対象力士が休場してしまった場合には、代わりにその枠に自動補充される予定だった力士を比較対象とします。
④ 変更後の力士が休場してしまい、なおかつその枠に自動補充が適用された場合には、原則自動補充力士を含めて「代打有効度」、「代打加減点」を算出します。
⑤ ④の例外として、変更後の力士が休場する前に、本来ならその枠で自動補充される力士を別枠で代打として起用してしまった場合など(自動補充力士が変わってしまった場合)については、本来自動補充が適用される予定だった力士、及び変更となる予定だった自動補充力士の双方で「代打有効度」、「代打加減点」を算出します。
以上、わからないことがありましたら、遠慮なくご質問下さい。